ブログ

第49回卒業証書授与式

 3月1日に243名の卒業生を送り出しました。今年の式歌は一昨年と同じRAD WIMPSの「正解」。卒業生が選曲し、教員の指示を受けずに独自に練習を重ね、素敵な歌声を披露してくれました。

 この学年は自分の着任年度に入学し、共に同じ三年間を過ごし、共にこの3月で巣立っていく、いわば仲間です。(勝手に思っているだけですが・・・)生きづらさが増幅しそうな世の中ではありますが、卒業生の進む前途が平和でひとに恵まれる社会であることを心から祈っています。

 校長として最後に読んだ式辞を掲載します。

  式 辞
 教室の窓から望む石狩の山々は未だ一面に雪を纏いながらも、山肌を暖かく照らす光に春の到来を感じるこの佳き日に、PTA会長 〇〇様 をはじめ、ご来賓並びに保護者の皆様のご臨席を賜り、北海道札幌丘珠高等学校第四十九回卒業証書授与式を挙行できますことに衷心より感謝申し上げます。 
 さきほど卒業証書を授与しました二百四十三名の卒業生の皆さん、改めて卒業おめでとうございます。皆さんの高校生活三年間の努力に心から拍手を送ります。
 保護者の皆さま、お子様の晴れ姿を目にした喜びはひとしおかと存じます。この三年間を共に歩み、支え、本日この晴れやかな日を迎えられたことに感無量で、ひとつ肩の荷を下ろした気持ちでおられると思います。本当に長い間ご苦労さまでした。これまで三年間、本校の教育活動にご理解と温かいご支援をいただきましたことに、心からお礼申し上げます。
 卒業生の皆さん、卒業証書を手にした今、三年間の学校生活を振り返り、様々な思いを抱いていると思います。高校生活の思い出には、楽しかった事ばかりではなく、辛い出来事や多くの困難もあったことでしょう。そのひとつひとつを乗り越え、今日の日を迎えられた陰には、優しさと厳しさ両方の目で支えた先生方、そして、どんなことも受け止め、ともに悩んでくれた保護者の方々の支えがあったことを忘れてはいけません。
 皆さんは知る由もありませんが、この三年間の毎日は、毎朝行われる先生方の打合せの終わりに、学年主任の佐藤先生が一日も欠かさず学年の先生方に呼びかける「今日も一日生徒のために頑張りましょう」の言葉でスタートしていました。
 様々な理由から辛かった、悔しかったと思える経験も、大地に張る根を育てていた時間であったと捉え、支えてくれた者への感謝の気持ちを忘れずに進んでください。
 これからの社会を作っていくのは皆さんです。世界に目を広げると、紛争や戦争、飢餓や貧困に苦しむひとがたくさんいます。視野を広く持ち、他者への想像力を豊かに働かせ、平和で生きやすい社会づくりに皆さんの力を生かしてください。
 アフガニスタンで医療活動や千を超える井戸を掘る活動を行い、六年前凶弾に倒れた医師の中村哲さんが大事にしていた言葉に「一隅を照らす」があります。これは、天台宗を開いた最澄の言葉ですが、「片隅の誰も注目をしないような物事に取り組むことこそが最も尊い」という意味を持ちます。目立たないことであっても、与えられ・求められたことに力を尽くすことが重要だということです。仕事をはじめ、すべての物事は、それを支える、人の眼には触れない多くの働きがあって成り立っています。これから進む社会の中で皆さんに求められる役割はいつも注目を集めるものとは限りません。目立つことはなくとも、他人の評価を得られなくても、与えられた場所・あなたの力が必要だと求められた場所で力を尽くす人であってください。
皆さんの持つ可能性は無限大です。困難なことが行く手を阻んでも、簡単に「無理だ」「不可能だ」と、出来ない理由を探すのではなく出来る方法を考え、新たな道を切り拓いていってください。
少々のことでくじけるな、簡単に弱音を吐くな、世の中はそんなに甘くはない。でも本当にどうにもならなくなったとき、暗闇に包まれたときには必ずあなたがたを支え、力を貸してくれるひとがいます。必ずいます。だから、あなたの力を必要としている人に対しては、そっと手を差し伸べられる、そんな生き方をしてください。志半ばで学校を去った友や学校に通うことを願いながら病で世を去った友の分まで、焦らず、でもしっかりと強く前を向いて進みましょう。
 4月からはそれぞれの新たな道へ歩みを進めます。進む道は違っても本校で出会い、ともに卒業式を迎えた仲間たちとの絆を大切にしてください。私ごとで恐縮ですが、私も三月をもって、校長としての任を終えます。お互い丘珠高校で同じ三年間を過ごしたことに誇りを持ち、これからは共に丘珠高校の応援団として、それぞれの方法で関わりを持ち続けていきましょう。
 ご臨席を賜りましたご来賓、保護者の皆さまに、卒業生の前途が健やかで希望に満ちたものとなるためのお力添えと、在校生の成長を支える学校づくりへの支援をお願い申し上げ、式辞といたします。

令和八年三月一日

北海道札幌丘珠高等学校長 能 登 啓 児